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75軒の空家解消!尾道の先進事例を視察

尾道市ではNPO法人尾道空家再生プロジェクトが中心となって空家の再生に取り組んでおられ、全国的に先進地として有名です。平成21年~27年の間に75軒の空家に県内、県外からの移住者の定住に成功し、さらにNPOで空家を改装しカフェ、ホテル、コミュニティーハウス等14件を運営されています。
75軒の入居年齢の世帯主は20代が11名、30代が24名、40代が12名、50代が8名、不明20名。若い世代の入居者が多いということも特徴の1つです。

では、尾道市は立地的に特別なところなのか。

↑ 尾道市は東西南北の交通の要所である

射水市と比較してみると

□行政区域面積
・尾道市 285k㎡(8割以上が森林農地)
・射水市 109k㎡

□人口
・尾道市 145,020人
・射水市 93,717人(平成29年3月末現在)

□高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)
・尾道市 30.4%
・射水市 27.3%(平成26年現在25,847人)

尾道市街地の地理的特殊性として、狭い道、急傾斜の坂道、階段が多い。
このエリアは尾道三山の南傾斜面の山手地区と呼ばれる地域で「坂の町尾道」の顔とも言われる場所です。とても駐車場が家に隣接していない等、とても住みよい場所と言えるところではない。

NPO法人尾道空家再生プロジェクトは、空家の情報提供、空家の活用相談、利用者間の連絡調整を行っておられます。
平成21年に市から空家バンクを任されて運営している。指定管理者で空家バンクを運営しているのは珍しい。宅建協会での運営はあるが、NPOでの管理は全国的にも珍しい。単独組織であり、小回りが利くこととNPOと言えど商売なので動き方も本気である。不動産会社が空家を扱えないわけではないが、手数料が少ないので経費負けしてしまって商売にならない。

NPOの代表である豊田さんの旦那さんが大工さんであるということと、SNSで呼びかけ全国からボランティアを寄せてDIYを行って改修をする。代表的な実績として「あなごの寝床」がある。商店街内にあるゲストハウスですが、稼働率はなんと100%!!

他にも、ゲストハウスやカフェを経営されておられ、得た利益を次の物件に投資するといった理想的なまちづくりを行っておられました。

空家を欲しい人(需要)と空家を手放したい人(供給)のマッチングを行えるのは、NPOだからこそできるのではないかと感じました。行政は数年で担当者が代わってしまう(事業に本腰が入らない)、不動産業は物件を販売した際の売上の手数料が利益になるので空家などの金額が小さい物件になると、経費負けしてしまうので扱いたくないといったマイナス要素が運営上無いことが成功させた理由だと感じました。
そして、何より尾道空家再生プロジェクトの豊田代表のヤル気、リーダーシップがあってこそ成功している取り組みでした。若い世代の転入者が多く、小学校に通う児童も増えてきているそうです。

射水市新湊地区の市街地では駐車場が無いから人が住まない、観光客が来れないと言ってますが尾道市の方が何倍も立地的な難易度は高いと思います。住みたくなる街、観光に行きたくなる街の両面を同時進行で考え、10年20年先の地域のことを考えて取り組んでいきます。
番屋カフェ内川ナイトミーティングで、これからの市街地のことを考えて意見交換をしています。興味のある方はぜひ参加して下さい。
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