外国人労働者受け入れ対策について
先日、射水市内で殺人事件が発生しました。
寮に住んでいる外国人技能実習生同士がケンカし、相手を刃物で刺したそうです。犯人と思われる中国人の身柄はすでに拘束されましたが、地域に暮らすみなさんは大きな心配と不安を抱かれたのではないでしょうか。
今回の事件後、日本人が殺されなくて良かったとか、カッとなって人を殺したりするとか考えられないという声を聞きましたが、そう思うだけで終わってはいけません。
昨年、人手不足を背景に国会で入管法が改正され外国人労働者の受け入れを2019年4月から初年度は3万2,800~4万7,550人、19年度からの5年間の累計で26万2,700~34万5,150人見込まれています。今後、地域には今まで以上に外国人が増えることが予想されます。
先に私の外国人労働者受け入れについての考えを述べておきたいと思います。
私は外国人労働者の受け入れについて、積極受け入れ派ではありません。その理由は4つあります。
1つ目は、外国人労働者の受け入れをした世界の国々を見ると、うまくいっている国はほとんどありません。うまくやっている国をあげるならば、シンガポールやドバイ。この国々では完全に短期労働者として雇って、期間が終われば強制的に帰ってもらうという仕組みで成功しています。逆にヨーロッパ、アメリカでは外国人労働者(移民)を大量に受け入れたことによって、定着がうまくいかず不満がたまり暴動が起きたり、文化の違い等により国のかたちを大きく変えることになってしまっています。
2つ目は、今の日本は1人あたりの賃金を上げ生産性を上げていく良いタイミングなので、大量の外国人を入れる必要はありません。これでは日本人の賃金上がることはありません。AIの導入、技術の向上も遅れる可能性があります。人手が足りないなら、AIの技術を向上させ積極導入するべきです。そしてその技術を世界に発信すれば良いと考えます。
3つ目は、人口減少が経済の停滞にはならないと考えます。今から100年前の日本は5,000万人くらいで国として成り立っていました。日本と同じくらいの広さがある北欧なら数百万人で国を維持していて、国民1人あたりの生産性は日本人の1.5倍くらいあります。世界の事例を参考にするべきです。
4つ目は、今日の技能実習生は劣悪な労働環境下にあると散々問題になっているます。それにもかかわらず、対策もできていない状態で受け入れを増やすと間違いなく問題が起こります。夢を持って日本に来た外国人が、日本のことを嫌いになってしまう可能性もあります。それは、日本にとって国際的立場としても良くなく、受け入れ態勢が不十分すぎます。あまり表には出てきていませんが、外国人労働者に対して甘い誘惑をおこなう業者もいるとも言われています。
以上の理由から、受け入れには慎重になるべきだと考えています。
ところで話は戻りますが、今回の事件についてです。
皆さんは、今回の事件が起きた原因は何だと思いますか?
私は、仕事と寮の行き来の毎日で、ストレスが溜まったのが原因なのではないかと考えます。
私たち日本人でも同じ環境に置かれると精神的にまいってしまうではないでしょうか。
仕事と自宅を行き来する毎日。仕事は全てが楽しいわけではないし、不満もたくさんある。ましてや、外国から知らない土地に来ている。寮では言葉が通じ合う人がいるけど、必ずしも気の合う仲間ではありません。こんな環境にいると、誰だってストレスが溜まって爆発する可能性は少なからずあると思います。
このような悲惨な事件を繰り返し起こさないためには、ストレスを解消するような環境づくりが必要であります。
社内でレクリエーションを企画しコミュニケーションを図ったり、地域住民とコミュニケーションを取る機会を増やして、お互いの存在を理解していくことが未然にトラブルを防ぐことになると考えます。
高岡市では、さまざまな国籍の人が運動会を楽しむイベントが開催され、日本人との混成チームで綱引き、玉入れ、仮装レース、大玉転がしなどの日本ならでは協議を一緒におこなって親睦を深めています。
参加者のほとんどは初見で最初は緊張感が漂っていたけど、一緒に汗を流すうちに自然とハイタッチやボディーランゲージが飛び交うように。閉会式後の懇親会では、進んでコミュニケーションを取る人も多くみられたそうです。
このような取り組みが、これからの共生社会を作っていくのだと思います。
以下、富山県内における外国人住民数のデータです。
■富山県内における外国人住民数(平成30年1月1日現在)
(1)総数
89か国・地域 16,637人
(人口比1.56%)
※昨年度 85か国・地域 14,774人
(総人口比1.37%)
・昨年度比+1,863人(+12.61%)
4年連続で増となり、過去最高となった。
(2)国籍・地域別住民数
・中国が最も多く全体の30.18%を占める。
・ベトナムが昨年度比+918人と大きく増え全体の17.32%を占め第2位となった。
(昨年度第4位)
平成29年度(平成30年1月1日現在) 昨年比
国籍・地域 外国人住民数 構成比 増減数
中国 5,021人 30.18% 42人
ベトナム 2,881人 17.32% 918人
ブラジル 2,437人 14.65% 436人
フィリピン 2,148人 12.91% 175人
韓国 898人 5.40% ▲25人
その他 3,252人 19.55% 317人
(3)市町村別住民数(1,000人を超える市町村)
・富山市、高岡市、射水市で全体の7割以上(73.96%)を占めている。
・射水市は、人口に占める外国人の割合が最も高い(2.39%)。
平成29年度(平成30年1月1日現在) 昨年比
市町村名 外国人住民数 構成比 増減数
富山市 6,835人 41.08% 1,042人
高岡市 3,236人 19.45% 359人
射水市 2,234人 13.43% 191人
(4)在留資格別住民数
・「永住者」が5,009人と最も多く全体の30.11%を占める。続く「技能実習」は昨年度比+801人の4,893人と大きく増えている。
平成29年度(平成30年1月1日現在) 昨年比
在留資格 外国人住民数 構成比 増減数
永住者 5,009人 30.11% 234人
技能実習 4,893人 29.41% 801人
在住者 1,553人 9.33% 282人
その他 5,182人 31.15% 546人