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六渡寺海岸クリーン大作戦

六渡寺海岸クリーン大作戦

問題点 】

射水市内にある六渡寺海岸は多くの海岸漂着物が流れ着き、景観を損うだけではなく異臭を放ち、北風が吹いたときには風に舞って町に漂着物が降ってくる状況です。富山県がおこなった調査によると、六渡寺海岸に漂着している漂着物の量は縦横10mの枠の中に45リットルの家庭用ゴミ袋約53袋分あると報告されています。

これらの漂着物の約8割は県内河川から流出したものであるということも調査結果でわかっています。昔は海水浴もできる海岸でしたが、砂浜の浸食を防ぐための護岸工事によるものなのか、河川流域の住環境の変化によるものなのか、いずれにしても海岸は多くの漂着物で砂浜すら見えない状態です。毎月第3日曜日には地域住民の方々が海岸清掃をおこなっていますが、1度綺麗にしても数日後にはまた溜まってしまう現状に、いつまで続ければ良いのかと悩んでおられます。

六渡寺海岸クリーン大作戦

改善策 】

①漂着物の8割は県内から流出しているので、県民の意識を高める取り組みをする。(親と子ども)
②漂着物は県内の河川から流出しているので、河川流域の自治体だけではなく関係機関が協力して対策を練る。
③発生源を調査し、発生を抑制するための啓発活動をおこなう。(発生源がわからなければ抑制する対策が取れない)

実施内容 】

県民の環境に対する意識を高めるためのイベント「みんなできれいにせんまいけ大作戦」を毎年実施。県内各地で海岸清掃をおこなってもらっています。民間企業や企画するクリーン作戦には1度に約400名の方が参加していただいている。また、県では海岸清掃バスツアーを企画し、河川の上流域に住んでいる親子が下流域の親子と交流しながら環境について学びながら海岸清掃をおこなう事業もおこなっています。

六渡寺海岸クリーン大作戦

また、河川流域の自治体だけではなく関係機関が連携して問題に取り組んでもらうために、議会で知事に強く要望した結果、富山県海岸漂着物対策推進協議会小矢部川流域部会を設置していただきました。この部会には、国、市町村の環境部局長、商工会、農協、漁協、PTA連合会、自治会連合会、各市環境保健衛生協議会等多くの方々に参加していただいています。現状の報告から、それぞれの機関がどのような対策を練って行動していくことで問題を解決することができるか話し合っていただいています。

さらに、県内河川におけるゴミの流出実態調査として、農村部、住宅地、市街地の河川にオイルフェンスを張り、貯留したゴミを回収してその量、種類を把握する取り組みをおこなっていただきました。農村部には農薬袋や苗ポットなどの農業系ゴミや木材が多く、生活ゴミは少ない。住宅地にはペットボトルや発泡スチロールなどの生活系ゴミが多く、農作物も若干見つかった。市街地には生ごみやペットボトル、発泡スチロール、ビニール袋が多く見つかった。これらの調査結果を部会で報告され、各関係機関から発生抑制の対策を取っていただいています。

六渡寺海岸クリーン大作戦

六渡寺海岸クリーン大作戦

これらの県をあげて環境に取り組んでいる状況を見て、海岸だけではなく、海中にあるゴミの清掃に取り組んでいる団体にも現地に来ていただき海中清掃をおこなっていただきました。2014年に富山湾がユネスコが支援する「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟しました。海越しに見える立山連峰の景観はもちろんですが、自然環境や海岸環境対策に対し熱心に取り組んでいるところも大きく評価された結果であり大変うれしく思っております。

多くの皆さんのご協力もあり、以前と比べて漂着物の量は減ってきているとも言われています。六渡寺海岸周辺の地域の方々がおこなっている清掃活動には、県内各地から多くの方に参加いただけるようになり、年間延べ人数8,000人もの方が来られています。

海岸漂着物の8割が県内河川から流出しているという現状から、県民一人ひとりが環境に対する意識が高まるようにこれからも活動を続けていきます。そして、海岸漂着物だけではなく、最近注目されているマイクロプラスチックが人体や環境に及ぼす影響についても発信していきます。環境を汚すことが私たちの生活に影響を与え、いずれは私たち人体にも大きな影響を及ぼす可能性があるということ。環境問題は、一部の困っている人だけが悩んでいるから解決するものではありません。一部分で見るのではなく、大きく大局観で捉えて取り組んでいかなければいけません。引き続き頑張っていきます!